『白洲正子自伝』 /白洲正子
『いったい、白洲正子と言う人は、いかにしてかの「白洲正子」になったのか---。初太刀の一撃に命を賭ける示現流・薩摩隼人の度胸を、魂深く受け継いだ人。危うきに遊んだ名人達との真剣勝負を通じて、生はもちろん死の豊饒をも存分に感得した人。ものの意匠に何らとらわれることなく、本来の裸形をしかと見据え続けてきた人。その人が、その人自身の来し方に目をむける時…。』
12月3日のblogでも紹介した、白洲正子。その自身が書いた自伝です。白洲正子と言えば目利きの名人で有名で、かのマッカーサーに対して怒鳴りつけた事で有名な白洲次郎の妻にあたります。
白洲次郎が日本人のダンディズムを語るのに欠かせないように、日本の美学・和様式美を語るのに欠かせないのが白洲正子だと思っています。白洲次郎が日本よりも海外で有名なように、白洲正子も一部の人達以外からはそれほど有名ではありません。OEDIPAにしてもこの自伝で、彼女が能に造詣が深いことや秩父宮殿下と交流があったこと、「ノラクロ」の作者として有名な田河水泡の義兄・小林秀雄と交流があったことなど、初めて知りました。自伝を通して知る事の出来る白洲正子はかなりの女傑です。「今思い返すと恥ずかしいことに…」のような台詞を連発していますが、当時としてはかなり異色な女性の部類に入ったのではないでしょうか。
正直、結構坦々としていて読むのが大変でしたが、興味のある方は読んでみてください。OEDIPAとしても歴史の空白部分であった昭和初期の情景が目に浮かぶようでした。歴史・ノンフィクションが少しでも苦手な人は読みきるのは大変かと…(--;
- [2006/12/27 00:00]
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